憧れを現実にする日常
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真夜中の回顧録 
 2003/10/16 Thu 00:00:00
深夜1時半@一人暮らし先にて。
聞こえる時間も音色も違っていたけれど、懐かしい旋律がかすかに聞こえてきた。
チャルメラの音。


”実は、年が明けたらやめようと思っているんだ。体調悪いし、足も痛いしね。もう年だから。”
ほとんど毎晩夜の9時半にトラックでやってくるラーメン屋のおじさんがそう言ったのは、
ちょうど今ごろの季節のことだった。

それからそのおじさんの来なくなるまでの間、私は…というよりうちの家族は、
なるべくおじさんのチャルメラの音が聞こえてくるのに気がつくと買いにいくようにしていた。
それまでの”思い出”を忘れないようにするために。

我が家とラーメン屋のおじさんとの出会いは、私のまだ生まれる前、両親が実家に越してきた日のことだったそうだ。
引越しの夜、手伝いにきていた人たちとくつろいでいたときに聞こえてきたチャルメラの音に反応して、
みんなで買いに行ったのだそうだ。
よく遊びにくる叔母は、自分の家の近所には来ないチャルメラの音の物珍しさに、
お鍋を持って買うためにトラックを追いかけたこともあるそうだ。

だから、私にとっては逆にそのチャルメラの音が聞こえてくるのは物心ついたときから当たり前のことだった。
会社帰りにお土産、と言って父はよく買って帰ってきた。
母と、亡くなった祖母と4人で食べたことは小さいころから何度もあった。
小学生や中学生のころは、塾の帰りに迎えにきてくれていた母と帰宅の帰り道にまるで帰りを待っていてくれるかのように
いつもトラックが止まっていてよく買って帰った。
おとなになってからは、家族で晩酌をしていると絶妙なタイミングでチャルメラの音が聞こえてきていた。

おじさんの作るラーメンは、確かに流行りの行列のできる味というのではない。
50円割り増ししてもゆで卵が1コ余計についてくるだけの、素朴なものだった。
多分、両親が最初に食べたその日よりももっと前-そのおじさんは40年くらい店を続けてきた、と言っていた-
からほとんど変わってない味に違いない。
気取らないものだからこそ、あの音とトラックに癒されてしまっていたのだろう。

今夜で最後、という夜は、私は約束があって家にいることができなかったので、
その前の日の夜にチャルメラの音が聞こえてくるのを待ちに待って買いにいった。
”おじさん、元気でね!”
買いに行かない日でさえも、当たり前のようにそこにあった空気のようなものが消えてしまうようで、なんだかせつなかった。


その”音”が実家のほうで聞こえなくなって、来年の1月14日でちょうど2年になる。
おじさんは今ごろ、”第2の人生”を満喫しているのだろうか…

思いがけず、涙がこぼれた。

あゆむ 2004年05月23日(日)02:20
トーコ :なんか切ない話だねえ。知らない私でもおじさんが幸せに暮らしてること願っちゃうなぁー。 [Delete]
サトキ :チャルメラの音とおじさんのラーメンが、原風景なんだね。思い出は大切にしたいね☆ [Delete]
mitty :チャルメラのことを「夜泣きソバ」と言うじゃないですか。その呼び方が好きです。 [Delete]
sho-t :あゆむさんの気持ちが天に届いて、きっと幸せに暮らしていると思う…そうであって欲しいね… [Delete]
りりー :切ないけどステキなお話ですね。おじさんが作る素朴な味、とっても美味しいんだろうな♪ [Delete]
@みう :うん。切ないねぇ。なんか、当たり前になってることって大事なことが多いよねー。 [Delete]
阿井恵夢 :ほんと切ない話だ・・・。そういうのってふとした瞬間とかに思い出してすごく懐かしくなるよね~。 [Delete]

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